さて 何しても起きて来ない
電話は効果が無い
チャイムも無意味
夜中だけに隣の部屋への迷惑を考えると玄関で大声あげるわけにもいかない
これだけ手を尽くしたところで寒さにも限界が。
まずい。
こんなとき連絡できるのは盛岡唯一の友 Hちゃん。
…数分前に手を振った相手をまた呼び戻すのは気が引ける
かといってコンビニで朝まで…って何時間だよ!無理!
あぁ…友人Hは 明日の朝早く知り合いのフットサルの試合で応援に行くって言ってたし だから早く寝るって…
ましてそんな忙しい朝にまで家に送ってもらわなくてはならなくなる
…ふつうに迷惑な話だ。
し、しかし この事態は尋常ではない
旦那が閉め出されるなら『よく聞く話』だが(?)嫁が閉め出されるなんて聞いたことがないっ
まして車で寝るにしても車の鍵すら無い!
前代未聞の珍事件発生か。
仕方あるまい…部屋に上がり込むのは気が引けるが、せめて車でも借りて一晩しのがせてもらおう…
と
長いこと玄関で考え込んでから ようやく近所のコンビニに移動する。
その途中申し訳ないと思いつつも友人Hに電話をした。
事情を話したら友人Hはさんでぃよりキレていた(ぷ
その後コンビニで『ボン・ボヤージュ』のアレを立ち読みし、そこから拾った名言に心打たれつつ(そんなことしてる場合かどうかはこの際どうでもいい)友人Hの迎えを待った
数分後ようやく助け船に乗りさんでぃは暖かい場所へとたどり着く
友人Hは部屋に入れてくれたあげく 自由がきくようにと 玄関の鍵はあけたままでいいとか 車の鍵を渡してくれて何かあったら使っていいだとか近くのコンビニの場所を教えてくれたりだとか コーヒーの在処だとか お湯はここにあるとか ヒーターもつけててくれたりだとか 客用布団を出すだとか…
とにかく寝たいはずの身体で いろいろ世話をやいてくれた
閉め出された扱いから比べたらあまりにありがたい待遇に涙が出る
持つべきものは やはり気のきく女友達。感謝感謝である。
しかしながらさんでぃは もしかして夜中にバカな旦那が万が一にも着信やら状況やらに気づいて電話してくるかもしれない なんて この期に及んで微かに期待していた。
そして起きてる自分が親愛なる友人Hの眠りを妨げてしまうかもしれない可能性を考え 部屋を出て 車を借りて朝まで電話を待つことにしたのだった。
友人Hよ 貴女の優しさは そのときのさんでぃを 充分すぎるほど癒し、温めてくれた。しかし甘えるのはここまでにしよう、君にこれ以上迷惑はかけられない…
とかなんとか自分に言い聞かせながら 数時間を車内で過ごした(その間ほかの友人との電話に勤しむ。もちろんキャッチついてるので通話中でも他からの着信は逃さずに済む。しかしそのせいでケータイのバッテリーを使い果たしコンビニに緊急用充電機を買いにいくハメになったという…)
しかし朝6時になろうとするところで 寒さも気力も眠気も限界を迎えるさんでぃ。
しかたなく足音や物音に細心の注意をはらいながら部屋に戻ってヒーターをつけ布団は出さずにその場でゴロリと仮眠をとったのであった。
時間は6時すぎ。未だバカな男からの連絡は無いまま…
嘘のようなホントの話4に続く。